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2026/03/26 基礎知識

工場・倉庫の地震対策と沈下対処法|事前の備えと発生時の対応を

工場・倉庫の地震対策と沈下対処法|事前の備えと発生時の対応を

地震大国・日本において、工場や倉庫は常に地震のリスクと隣り合わせです。特に、地盤沈下や建物(床)の傾きといった目に見えにくい被害は、設備の不具合や操業停止、ひいては人的被害にもつながる恐れがあります。

この記事では、そうしたリスクを最小限に抑えるための事前対策や、万が一沈下が起こってしまった際の対応策について解説します。災害に強い施設づくりの参考として、ぜひご覧ください。

工場・倉庫は地震対策が不可欠

工場・倉庫は地震対策が不可欠

地震の多い日本では、工場や倉庫においても十分な対策が欠かせません。特に製造機器や保管物が多く並ぶ現場では、建物の損傷や設備の転倒・破損によって操業が長期間止まってしまうリスクもあります。

人的被害を防ぎながら、安定した稼働を維持するためには、建物構造から設備配置まで、地震への備えが重要となるのです。

工場・倉庫における主な地震被害とそのリスク

地震による被害は、工場や倉庫の操業に大きな影響を及ぼします。建物や設備の破損にとどまらず、生産ラインの停止、在庫商品の損失、さらには従業員の安全確保といった多方面に課題が生じるため、事前の備えが重要です。

ここでは、実際に想定される主な被害と、それによって生じるリスクについて整理します。

建物の倒壊・構造体の損傷

工場・倉庫は広い空間を確保するため、柱や梁のスパンが長くなりがちで、地震による水平方向の力に対して建物全体が大きく変形しやすくそれが地震の揺れに対して弱点となる場合があります。

耐震性が不足していると、屋根の崩落や外壁の剥離、天井材や照明器具の落下、梁や柱の破断などが発生しやすく、設備や人への二次被害にもつながります。

機械設備・什器の転倒や移動

製造機械や棚などの大型什器が固定されていないと、地震の揺れで転倒・移動する危険があります。

これにより、機械の損傷や商品の破損、人身事故のリスクが高まることにつながります。特に、重量物を扱う現場では、強固な固定や耐震ベースの導入が求められます。

在庫商品の落下や破損

倉庫ではラックに積まれた商品が地震の揺れで崩れ落ちることがあり、在庫の破損や仕分け不能による納期遅延、経済的損失が発生する恐れがあります。これらのリスクは保管方法や棚の設置位置、耐震補強の有無が大きく影響します。

ライフラインの寸断と事業継続への影響

地震によって電気や水道、ガスといったライフラインが途絶すると、工場の稼働停止や一時避難が必要になる場合があります。

また、地震後に復旧作業が長引くと、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。

【事前対策】工場・倉庫の地震による沈下や床の傾きを防ぐためにできること

【事前対策】工場・倉庫の地震による沈下や床の傾きを防ぐためにできること

工場や倉庫は重量のある設備や在庫が多く、建物や床にかかる負荷も大きいため、地盤沈下や床の傾きが発生しやすい傾向があります。わずかな傾斜であっても、精密機械の精度低下や搬送システムの動作不良を招き、生産活動に支障をきたす恐れがあります。特に地震が加わることで、液状化現象などによりこうした問題が一気に深刻化するケースもあります。事前にできる対策を講じておくことで、被害の最小化はもちろん、事業継続の安定にもつながります。

地盤調査を行う

まず重要なのは、敷地の地盤状態を正確に把握することです。軟弱地盤や過去に埋め立てられた土地では、建物が揺れや沈下の影響を受けやすくなります。

ボーリング調査やスクリューウエイト貫入試験などを活用して、地盤の強度や地層構成をチェックしましょう。その結果に基づき、適切な基礎補強や液状化対策を検討することが、長期的な資産価値の保護につながります。

建物や設備の荷重バランスを見直す

設備や棚などの配置によって、床や基礎にかかる荷重が偏ってしまうことがあります。これが沈下や床の傾きの原因となるため、重量物はできるだけ均等に配置し、床の耐荷重を超えないように調整することが大切です。

耐震性の高い基礎・床構造を選定

新築や改修の際は、耐震設計に基づいた基礎・床構造を採用することが望ましいです。杭基礎やベタ基礎など、地盤に応じて適切な構造を選ぶことで、沈下や床の傾きのリスクを大きく軽減できます。

地盤改良や沈下防止工法を検討

新たに工場や倉庫を建設する場合や建て替えを検討している場合は、地盤沈下を防ぐための地盤改良や基礎工事が重要です。日本には軟弱地盤の地域も多く、建物の規模や用途に応じた適切な工法を選ぶ必要があります。

地盤を強化する「地盤改良工事」や、建物を安定して支える「杭基礎工事」などが代表的な対策です。

定期点検とモニタリング体制の構築

床の傾きや基礎のひび割れ、扉の立て付けの悪化や壁の隙間などは、不同沈下の重要なサインです。これらを早期に発見して対応すれば大規模な修繕コストを抑え、操業停止リスクを最小限に食い止めることができます。

定期的に点検を実施し、必要に応じてセンサーや傾斜計を設置してモニタリングを行うことも、現代的な対策の一つです。

関連記事:【地盤沈下への対策】地盤改良の工法・日々の注意点・沈下修正工事など

【事後対応】沈下が起こってしまったら

【事後対応】沈下が起こってしまったら

工場や倉庫で沈下が発生してしまった場合、放置すれば生産ラインの停止や従業員の安全確保に関わる深刻な問題へと発展する可能性があります。特に、建物の一部だけが沈む不同沈下が進むと、建物の骨組みに過度な負担がかかり、地震発生時の倒壊リスクが劇的に高まります。また、床のわずかな傾きが精密機器の故障や、搬送ロボット(AGV)の停止を招くことも少なくありません。沈下のサインを見逃さず、「早期の状況把握」と「的確な専門家への相談」が、被害を最小限に抑える鍵となります。

現地調査で状況を正確に把握する

沈下が発覚したら、まず行うべきは専門業者による現地調査です。床や建物の傾斜、機器のズレ、ひび割れの有無など、沈下の影響範囲を確認し、原因を特定します。

沈下は局所的に起きている場合もあれば、地盤全体に広がっているケースもあるため、目視だけで判断せず、レーザーレベルやオートレベルを用いた精密な傾斜測定、さらには必要に応じた追加の地盤調査が必要です。

補修や改修の方針を検討する

調査結果に基づき、どのような補修・改修を行うかを検討します。その際、修繕コストだけでなく、工期中の稼働停止リスクや、将来のメンテナンス性を含めた総合的な判断が求められます。小規模な傾きであれば、床のレベル調整や機器の再設置で対応できることもあります。

一方、構造に歪みを生じさせる不同沈下が発生している場合や地盤沈下が進行中であれば、より抜本的な地盤改良や基礎補強が必要になります。

地盤沈下による床の沈下の修正工法例

代表的な地盤沈下による床の沈下の修正工法として、以下のような方法があげられます。

  • 薬液注入工法
    地中に特殊な薬液を注入し、土を固めて沈下を止める工法。比較的狭いスペースでも対応可能です。
  • 鋼管杭圧入工法(アンダーピニング工法など)
    既存の基礎の下に鋼管杭などを支持層まで打ち込み、ジャッキの力で建物の傾きをミリ単位で修正する工法。再沈下を防ぐ効果が 極めて高く、大型建物や重量設備がある環境でも確実な復旧が可能です。
  • ウレタン樹脂注入工法(アップコン工法)
    床下に膨張性の高いウレタン樹脂を注入し、その圧力で床の沈下を修正する工法。圧入して空隙を充填し、床の沈下を修正する方法。施工が短期間で済み、操業を止めずに対応できる点が特徴です。樹脂が短時間で硬化するため工期が短く、重機を必要としないため、工場の稼働をを止めずに対応が可能です。

沈下防止のためのモニタリングも重要

補修後も定期的なモニタリングを行い、再び傾きや沈下が起きていないか確認することが重要です。沈下が完全に止まっていない場合、再度の補修が必要になることもあるため、長期的な視点での管理が求められます。

工場・倉庫の地震復旧は専門性がカギ|アップコンの強みとは

地震によって生じた工場や倉庫の沈下や空隙・空洞の修正には、確かな技術と実績に裏打ちされた専門性が求められます。特に工場などの稼働を止められない現場では、「既設床を壊さずに短工期で対応できるかどうか」が対策の鍵となります。

ここでは、東日本大震災で被害を受けた工場におけるアップコン工法による沈下修正事例をご紹介します。

福島県の部品メーカー工場での沈下修正工事

被災地の一つ、福島県内の部品メーカー工場では、東日本大震災の影響で工場内の土間床が広範囲にわたり沈下・波打ち、床下には空洞も生じていました。フォークリフト走行時の振動は、積載物の荷崩れや精密部品の運搬精度に直結し、工場の生産性と安全性に深刻な影響を与える状況でした。

この工場では、短工期かつ既設床を壊さずに施工可能な「アップコン工法」が採用され、通常なら数ヶ月を要する大規模な床の打ち直し工事を回避し、操業への影響を最小限に抑えながら、わずか11日間で沈下と空隙の修正が完了しました。

施工手順のポイント

工場・倉庫の地震復旧は専門性がカギ|アップコンの強みとは

アップコン工法では、硬質発泡ウレタン樹脂を用いて床下に充填し、床の傾きや空洞を修正します。以下は主な施工の流れです。

  1. 資機材準備・測量
    現況の床の高さを把握するため、オートレベルにより測量を行います。
  2. 注入孔の削孔
    φ16mm(1円玉より小さいサイズ)の孔を原則1m間隔で削孔します。地盤内に注入されたウレタンの影響範囲は半径1~1.5mのため、アップコンでは隙間なく充填されるように樹脂の注入間隔を原則1mおきに設定しています。
  3. ウレタン樹脂の注入
    オートレベル・レーザー墨出し器で高さを確認しながらウレタン樹脂注入作業を行います。ウレタン樹脂注入後、CCDカメラを使用し充填確認を行います。
  4. 穴埋め・清掃
    無収縮モルタルにより、注入孔の穴埋めを行い、施工完了です。

施工後の改善点と効果

工場・倉庫の地震復旧は専門性がカギ|アップコンの強みとは

  • 土間床の沈下がほぼ水平まで回復
  • フォークリフトの走行時の振動が大幅に緩和
  • 滑らかな勾配の床面により、通路としての安全性も向上

詳しくはこちら▶︎【福島県】部品メーカー工場 土間床沈下修正工事 土間床下空隙・空洞充填工事

専門技術と実績による安心の地震復旧

アップコンは、2003年の創業以来、全国各地の工場・倉庫の地震被害復旧に携わってきた専門企業です。

ウレタン樹脂注入による床沈下の修正をはじめ、災害直後の現地調査から最適な補修提案までを一貫対応。短工期で操業を止めずに復旧できる点が、多くの現場から高く評価されています。

震災復旧事例一覧はこちら

工場・倉庫の地震後の対策は「アップコン工法」で

地震や地盤沈下によって発生する、工場や倉庫のコンクリート床の傾き・段差・たわみ、床下の空隙・空洞といった問題に対し、「アップコン工法」は短期間での修正を可能にします。

専用の硬質発泡ウレタン樹脂を床下に注入し、沈下した床面を押し上げて段差や傾きを適切な状態へ修正。。既設のコンクリート床を壊すことなく施工できるため、大掛かりな重機の使用や解体工事は不要です。

また、機械や資材を移動させずに施工できるため、工場や倉庫の稼働を止めることなく修正が可能です。操業への影響を最小限に抑えながら、スピーディかつ効率的に地震被害へ対応できます。

施工においては、弊社で専門の教育を受け、経験を積んだ自社社員が補修計画の立案から工事、現場管理を行い、全工程を責任施工で実施します。

工場・倉庫の地震後の対策は「アップコン工法」で

施工時はミリ単位で床レベル(傾き)を管理しながら、硬質発泡ウレタン樹脂を注入するため、精度が高い高品質な施工を提供します。

詳しい施工の特長や施工の流れ、よくある質問などについては「アップコン工法とは」をご覧ください。

“ウレタン” で課題を解決するアップコン株式会社

“ウレタン” で課題を解決するアップコン株式会社

私たちアップコンは、ウレタン樹脂を使用して工場・倉庫・商業施設・店舗・一般住宅などの沈下修正をおこなうこと、道路・空港・港湾・学校・農業用水路などの公共インフラを長寿命化させることで暮らしやすい社会とストック型社会へ貢献します。

また、ウレタン樹脂の新規応用分野への研究開発に取り組むことで、自ら市場を創りながら事業を拡大していきます。

「アップコン工法に適合する内容かわからない」「具体的な費用や工期が知りたい」「ウレタンでこんな施工ができないか」など、ご質問がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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