ホーム事業領域/ソリューション農業用水路トンネル機能回復加圧式ウレタン充填工法(FRT工法)

農業用水路・導水路トンネルの維持管理・長寿命化 施工困難な小断面・長延長トンネル
の深部にも適応

農業用水路トンネル機能
回復加圧式ウレタン充填工法 FRT工法

覆工背面の空洞を充填し
トンネル本来の機能を回復

FRT工法とは

(農業用水路トンネル機能
回復加圧式ウレタン充填工法)

FRT工法
(Functional Restoration Technologies for Agricultural Ditch Tunnels)は、
農業用水路トンネルの老朽化と、建設当初の技術的な課題を解決するため、産官学が連携して開発されました。
ウレタン樹脂を用いて、トンネル覆工背面の空洞を短期間で補修し、トンネル本来の機能と性能を回復させる工法です。
小断面・長延長トンネルの深部の補修でもピンポイントに適用が可能で、時間的・空間的な制約のある現場に対応します。
FRT工法は、農業用水路トンネルの長寿命化と安全性向上に貢献します。

老朽化する
農業用水路トンネル
日本全国の農業用水路トンネルの多くは、高度成長期に整備され現在耐用年数が超過し、老朽化が深刻化しています。
これらのトンネルは、農業用水だけでなく、地域によっては工業用水や飲料水の供給という安全性・信頼性が求められる地域社会に重要な役割も担っています。
トンネル崩壊などの、重大な事故や機能停止を未然に防ぐために、早急な維持管理・補修が不可欠です。
技術的課題と
トンネルの危険性
農業用水路・導水路が整備された当初のトンネル施工技術では、十分な裏込め充填が出来ずにトンネル覆工背面に空洞が残るケースもあり、耐荷性能の低下を招いています。
空洞を放置すると、最悪の場合はトンネル崩壊事故につながるリスクもあります。 農業用水路トンネルの維持・補修管理は、農閑期など限られた期間で対応する必要があります。 また、トンネルが設置されている場所が山間部の狭小地であったり、小規模断面で長延長など、メンテナンスが容易にできない条件が多く、適用可能な工法が求められています。
FRT工法は、このような場所に設置されている農業用水路トンネルなど小断面トンネルの補修に適用する工法です。

FRT工法は、トンネル覆工背面に生じた空洞にウレタン樹脂を注入し、隙間なく充填します。
さらにウレタン樹脂の発泡圧力を加えることで外周土圧を均等化し、トンネル本来の機能(耐荷性能)を回復させます。

FRT工法の特長

  1. コンパクトな施工パッケージ

    01
    コンパクトな
    施工パッケージ

    小断面トンネルにも適応

    ウレタン樹脂の注入はバッテリー駆動の小型注入機を採用し、移動式ユニットで小型・軽量化を実現したコンパクトな施工パッケージです。小断面トンネル・進入口が立坑のみなどの厳しい条件の施工にも適応します。坑外に仮設プラント用の設置スペースが不要なため狭小地にも活用できます。

  2. 仮設プラント・配管の設置が不要

    02
    仮設プラント・
    配管の設置が不要

    トンネル深部でも効率よく施工

    従来の充填工法は、坑外に仮設プラントを設置するスペース、電源や材料を送り込む為の仮設配管などが必要とされていましたが、FRT工法はバッテリー駆動の移動式ユニットのため不要です。トンネル深部でも移動しながら効率よく施工が可能です。

  3. 安全性の高い施工

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    安全性の高い施工

    有害物質の発生がない
    施工パッケージ

    一酸化炭素中毒の心配がありません。電源にバッテリー駆動式を採用していることで、発電機は使用しません。

  4. 短工期

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    短工期

    従来工法と比較し大幅に工期削減

    仮設プラント・配管の設置作業の必要がなく従来工法と比較し大幅に工期を削減します。可搬式の注入機で移動しながらピンポイントで効率よく施工が可能です。農閑期のみなど、限定された短期間で施工が求められる農業用水路トンネルの維持・補修工事に最適です。

従来工法とFRTの比較

従来工法との工期比較例

ウレタン樹脂について

ウレタン樹脂は、ポリオールとイソシアネートの2液が混ざりあって(撹拌されて)化学反応を起こし、液体状態からクリーム状態に変化し、その後ゲル状態となって最終的に固体となります。小さな隙間にも入り込むため、隙間なく空隙を充填します。

ウレタン樹脂の特性

  • ウレタン樹脂自体が発泡・膨張するため、空洞の充填性に優れています。数mmのわずかな空隙にもウレタン樹脂が入り込み、隙間なく充填が可能です。
  • 下方(トンネル坑内)からの注入でも、トンネル覆工背面の空洞を残さずに充填できます。
  • 空洞が再度発生した場合、何度でも補修ができるため維持管理に優れています。
  • ウレタン樹脂は硬化後に、六価クロムなどの有害物質が発生しません。万が一、覆工の目地やクラックからのウレタン漏出が発生した場合でも、硬化・形成された材料は水に溶出することが無いため水質への影響が極めて低い、環境に対しても安全性の高い材料です。

他充填材料との比較

トンネル覆工背面裏込充填に要求される性能 ウレタン樹脂 エアモルタル グラウト
材質 空洞充填率
材料の軽量性
品質 亀裂地山
覆工クラックへの適用性
× ×
水に対する分離抵抗性 ×
施工性 事前漏出対策
プラント規模

特性値

  • ※1 測定方法は、JIS K 7220 (発泡プラスチック-硬質材料の圧縮試験)による。(※10%ひずみ時)
  • ※2 ウレタン原液の混合を始めてから、混合液がクリーム状に白濁して立ち上がってくるまでの時間。
  • ※3 混合を始めてから、増粘が起こってゲル強度が出始める時間。

主な使用機材について

小型化・軽量化を実現した
コンパクトな施工パッケージ
■ 小型ウレタン注入機
■ 小型コンプレッサー
■ 削孔用ドリル
■ 移動式バッテリー
■ 材料 一斗缶(ウレタン原液)
※全て電源100Vで対応可

など

小規模断面トンネル・進入口が立坑のみの条件が厳しい現場での施工に適応します。
バッテリー駆動のためトンネル内部での作業に適しており、仮設配管の引き込みが不要なことから、トンネル深部に点在する空洞の充填作業に最適です。

移動式小型注入装置
(H1200mm x W670mm x D950mm)

施工の流れ

機材搬入
(現場状況に合わせ機材の搬入)

立坑から機材搬入の様子
資機材一式を搬入

① 空洞充填工事

注入孔削孔状況
ウレタン樹脂
注入状況

地山の安定や覆工の偏荷重を防止するため、覆工コンクリートと地山の間に発生した空洞に空洞充填用発泡ウレタン(SK-02C)を注入充填をします

② 加圧式裏込注入工事

空洞充填用発泡ウレタン(SK-01A)を注入充填した後、加圧注入用発泡ウレタン(SK-01B)を注入し、周辺土圧を均等化することで、覆工コンクリートに生じたクラックの原因である引張応力を減少させます

施工事例

東神楽幹線地区導水路トンネル背面裏込め注入工事

発注者
北海道上川総合振興局 中部耕地出張所
場所
北海道上川郡
工期
2016年1月

房総導水路緊急改築油井地区トンネル補修工事(硬質発泡ウレタン充填工事)

発注者
独立行政法人水資源機構千葉用水総合管理所房総導水路事業所
場所
千葉県東金市
工期
2016年2月

三方原用水二期農業水利事業 導水幹線水路トンネル耐震補強工事

発注者
関東農政局三方原用水二期農業水利事業所
場所
静岡県浜松市
工期
2023年3月

農業用水路トンネル機能回復技術研究会 

会員

アキレス株式会社 防災販売部インフラ資材販売課
〒169-8885 東京都新宿区北新宿 2-21-1 新宿フロントタワー
TEL: 03-5338-9642 FAX:03-5338-9653

アップコン株式会社
〒213-0012 神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP東棟611
TEL:044-820-8120 FAX:044-820-8121

岡三リビック株式会社 営業部門
〒108-0075 東京都港区港南 1-8-27 日新ビル
TEL:03-5782-9087 FAX:03-3450-5380

  • 事務局:アップコン株式会社
  • 材料製造:アキレス株式会社
    防災販売部インフラ資材販売課
  • 研究強力:国立大学法人 島根大学
         石川県国公立大学法人 石川県立大学

研究協力

  • ・国立大学法人 島根大学
  • ・石川県公立大学法人 石川県立大学
新技術開発事業の成果【島根大学 長束教授 評価】
本研究開発事業では、まず、供用中の農業用水路トンネルに発生している代表的な変状は、スプリングライン付近に生じているひび割れであることを事例調査により確認した。そして、その変状の原因はトンネル天端背面に存在する空洞と考えられ、施工技術の未熟な時代に施工されたトンネルでは、コンクリート打設時に発生したものであると考えられていた。
次に、現場発泡硬質ウレタンフォームによるトンネル天端空洞への充填工法の開発に着手し、実用工法として確立した。
本工法の特長は、トンネル覆工背面と地山との空洞に空洞充填用の硬質発泡ウレタン(SK-01A)を充填して地山のゆるみや崩落を事前に防止する工程を第一段階とし、SK-01Aを充填した後に加圧充填用の硬質発泡ウレタン(SK-01B)により覆工の背面を加圧して耐荷性能を回復させる加圧式裏込充填工程の第二段階としたことである。