地盤沈下の対策とは?修正工事の方法と選び方も解説

地盤沈下は、建物やその周囲に深刻な影響を与える問題です。床の傾きや段差、空隙・空洞の発生など、放置すると安全性や日常生活に支障をきたす恐れがあります。
地盤沈下に対しては、専門的な知識や大規模な工事が必要ですが、比較的簡単に取り組める対策や修正方法も存在します。また、適切な修正工事を選ぶことで、費用や時間を抑えつつ効果的に問題を解決することが可能です。
この記事では、地盤沈下の基本的な対策から専門的な修正工事までをわかりやすく解説。さらに、それぞれの方法がどのようなケースに適しているのか、選び方のポイントもお伝えします。
目次
地盤沈下の影響と対策の必要性

地盤沈下は、建物や設備に大きな影響を及ぼす現象の一つです。床の傾きや沈下、床下に生じる空洞や空隙は、構造物の安全性を損なうだけでなく、日常の作業効率を低下させ、修繕費用を増大させるリスクも伴います。
具体的には、建物が傾斜することで扉や窓の開閉が困難になる、設備の安定性が失われる、さらには水が意図しない方向に流れるなどといった問題が発生します。これらは、地盤が弱い層で構成されている地域や、地下水の汲み上げが活発な場所で特に顕著です。
こうした影響は居住空間や商業施設、工場や倉庫といったさまざまな場所で見られ、放置するほど被害が広がる傾向があります。
そこで重要なのが、地盤沈下に対する適切な対策を講じることです。地盤沈下を未然に防ぐ「予防策」と、沈下が発生した後に迅速に問題を解決する「修正工事」を組み合わせることで、建物や設備の安全性を保ち、維持管理コストを最小限に抑えることができるようになるのです。
地盤沈下に対する簡単な予防策
地盤沈下を未然に防ぐことは、建物や設備の安全性を保つために非常に重要です。ただし、地盤沈下を完全に防ぐのは難しいため、簡単に取り組める予防策を実施してリスクを最小限に抑えることが求められます。
ここでは、比較的簡単に行える地盤沈下の予防策についてお伝えします。
地盤調査を行う
建物を建設する前に地盤調査を実施することで、その土地の地盤の強度や特性を把握できます。これにより、沈下リスクが高い地盤の場合は、適切な地盤改良を行う判断ができるようになります。
地盤調査は比較的短時間で実施できるため、新築時には必ず検討すべき対策といえます。
排水対策の徹底
水は地盤沈下の大きな原因の一つです。敷地内や周辺の排水計画をしっかりと行い、水はけを良くすることで、地表水の浸透・滞留による地盤の弱体化を防ぎます。
雨水や生活排水が溜まらないよう、排水溝の清掃や適切な勾配設計を行うことも効果があります。
負荷の分散
建物や設備の重量が特定の箇所に集中すると、その部分の地盤に負担がかかり、沈下が発生しやすくなります。
重量物を配置する場合は、地盤への負荷を分散させるように基礎設計を工夫したり、荷重を均等に分配するレイアウトを検討したりすることが推奨されます。
地下水の使用を最小限に抑える
地盤沈下の要因の一つとして、地下水の過剰な汲み上げによる地中の水分量の変化があげられます。地下水を生活用水や業務用水として利用している場合は、必要以上に汲み上げないよう使用量を見直し、節水や再利用、代替水源の活用などを検討することが重要です。
特に地下水を継続的に利用する地域や施設では、長期的な視点で使用量を管理することで、地盤への負荷を抑え、沈下のリスク低減につながります。
建物周りのチェック
外壁や基礎、擁壁やブロック塀などにひび割れや変異がないか見回るのも早期発見につながります。
地盤沈下に対する応急的な修正方法

地盤沈下による床の傾きや段差は、一時的であれば、応急的方法で修正が可能です。ただし、これらの方法は、広範囲や深刻な沈下が発生していない場合に適しています。
以下では、特定の箇所の段差や傾きを修正する簡単な応急的手法をご紹介します。
簡易的なスロープの作成
床の段差が気になる場合、簡易的なスロープを設置することで移動しやすくすることができます。スロープは市販の材料を利用して製作でき、手軽に設置可能です。台車などを使用する場合には、一時的な解決策として有効です。
表面補修材を使った擦り付け修正
軽微な段差や凹凸に対しては、表面補修材を使用して均す方法があります。この方法は、床材の上から補修材を塗布し、平滑に仕上げることで段差を目立たなくするものです。
部分的な床材の入れ替え
部分的な床材の補修や交換によって、応急的に段差を改善できる場合があります。
ただし、床下の地盤状態によっては再び沈下が進行する可能性があるため、応急処置として捉えるべきです。
専門的な地盤沈下への対策は

地盤沈下を未然に防ぎ、建物の安全性を確保するためには、専門的で本格的な地盤改良工法が必要です。これらの対策は、特に建物を建てる前や、既存の地盤が軟弱である場合に有効です。以下では、代表的な地盤改良工法についてご紹介します。
地盤改良工法全般
地盤改良工法は、地盤の支持力を高め、沈下を防ぐための方法です。地盤を強化することで、建物の傾きや沈下のリスクを抑えます。事前に地盤改良を行うことで、将来的な問題を未然に防止することができます。
表層改良工法
表層改良工法は、浅い地盤(深さ2m程度まで)に適した方法で、以下の手順で実施されます。
- 軟弱な地盤を掘削
- セメント系固化材を添加・攪拌混合
- 転圧・締固めを行い、地盤を強化
この工法は比較的簡易で、浅い地盤の改良に適しています。
柱状改良工法
柱状改良工法は、地中にセメント系材料や薬剤を混ぜて地盤を柱状に固める方法です。この方法は、局所的な沈下対策や、比較的小規模な建物の支持地盤を強化するのに適しています。
深層混合処理工法
深層混合処理工法では、土とセメント系材料(セメントや石灰など)を混ぜ合わせ、地盤を強化します。この方法は、深い地盤の改良に適しており、大型建物や構造物に適した方法です。
鋼管杭工法
鋼管杭工法は、鋼管杭を地中の支持層まで打ち込み、建物を安定させる方法です。この工法は、特に軟弱地盤が深い場合や、重い構造物を支える際に用いられます。
地盤沈下による建物の床の傾きや空隙・空洞の対処法
地盤沈下が起きてしまい、その影響を修正するためには、さまざまな工法から適したものを選ばなければなりません。それぞれの工法には特有のメリットとデメリットがあり、適用範囲も異なるため、状況に応じた選択が重要です。以下で、代表的な修正工法をまとめました。
コンクリート打替え工法
既設のコンクリート床を解体し、新たにコンクリートを打設する工法です。
- メリット:クラックや段差、汚れを同時に補修可能
- デメリット:工期が長く、工場や店舗の場合は操業・営業を停止する必要がある
- 適用例:床の劣化や損傷が大きく、床全体を新しく作り直したい工場・倉庫・店舗など
コンクリート増し打ち工法
既設のコンクリート床面に生じた段差に新しいコンクリートを増し打ちする工法です。
- メリット:費用が比較的安価で、工期も短い
- デメリット:床下の空隙・空洞がそのまま残るため再沈下のリスクがある
- 適用例:軽微な沈下の補修
表面処理工法(セルフレベリング工法)
セルフレベリング材を使用し、たわんだ床面を水平に修正する工法です。
- メリット:騒音が少なく、床表面が美しく仕上がる
- デメリット:床下の空隙・空洞が残る場合があり、再沈下のリスクがある
- 適用例:工場や倉庫の床面調整
アンダーピニング工法(鋼管杭圧入工法)
鋼管杭を支持層まで圧入し、建物を持ち上げる工法です。
- メリット:再沈下の可能性がほぼない
- デメリット:費用が高く、工期が長い。地盤調査が必要
- 適用例:小中規模建物の沈下修正
耐圧板工法
耐圧板を用いて建物を持ち上げ、隙間を充填する工法です。
- メリット:材料費を抑えられ、費用が割安
- デメリット:軟弱地盤が続いている場合は再沈下の可能性あり
- 適用例:比較的小規模な建物や、支持層が比較的浅い建物の沈下修正
薬液注入工法
凝固性の薬液を地盤に注入し、建物を支える工法です。
- メリット:工期が短く、費用も比較的安価
- デメリット:再沈下のリスクはゼロではない
- 適用例:小中規模建物の補修
ウレタン樹脂注入工法(アップコン工法)
ウレタン樹脂を床下に注入し、床を押し上げて修正する工法です。
- メリット:短工期で施工可能。操業を止めずに修正が可能
- 適用例:工場や倉庫、店舗、住宅など広範囲な用途に対応
- もともとの地盤の状態によっては再沈下の可能性もあるが、何度でも修正可能
関連記事:【一覧】沈下修正の工法まとめ|各工法の工事内容や特徴
簡単に地盤沈下対策できるアップコン工法の特長

アップコン工法は、専門的な知識と技術を持つ施工者による高い精度の施工技術が必要ですが、施工を依頼される方にとっては工期の短さ、既存設備の維持、迅速な仕上がりなど、多くの点で「簡単」と感じられる工法です。そのため、工場や店舗、住宅など、多様な現場で安心して採用されています。
以下で、工事依頼者目線で「簡単」と感じられるポイントを整理しました。
短工期で迅速な対応
従来の工法に比べ、アップコン工法は約1/10の工期で施工が完了します。これにより、工場や倉庫の操業、店舗の営業を長期間停止する必要がありません。
既設床の取壊しが不要
既存の床を解体することなく施工が可能です。そのため、床の解体や再構築といった大掛かりな作業が省けます。この点が特に簡単と感じられる部分です。
機械や荷物を動かす必要がほぼない
床上に設置されている機械や荷物を移動させることなく施工を行える点は、施主にとって大きな安心材料です。作業の手間が減るだけでなく、操業を止めずに沈下を修正できるため、生産性への影響を最小限に抑えられます。
設備がコンパクトで施工がスムーズ
施工に必要な設備はトラックに収まるため、施主が現場のスペースを広く確保したり、大規模な設置作業に対応したりする必要がありません。これにより、準備や後片付けも簡単に感じられます。
迅速な仕上がりと即時使用可能
ウレタン樹脂は注入後約60分で硬化し、施工完了後すぐに通常通り使用できます。たとえば、工場や店舗であれば、稼働をすぐ再開できることは、施主にとって非常に魅力的な特長であると言えます。
施主にとってわかりやすい施工プロセス
施工は、床に穴を開けてウレタン樹脂を注入するシンプルな工程で進行します。このシンプルさが、施主にとって簡単な印象を与える要因の一つです。ただし、その背後には地盤強化や沈下修正を確実に行うための高度な技術が存在しています。
地盤沈下によるトラブルは「アップコン工法」で対策を
地盤沈下による工場のコンクリート床の傾き・段差・たわみ、コンクリート床下の空隙・空洞を、硬質発泡ウレタン樹脂を使用して、短工期で修正します。
既設のコンクリート床を壊さない工事のため、重機を使った大掛かりな解体作業が不要です。また機械や荷物の移動をせずに施工が可能なので、工場の操業を止めることなく修正。
施工においては、弊社で専門の教育を受け、経験を積んだ自社社員が補修計画の立案から工事、現場管理を行い、全工程を責任施工で実施します。

施工時はミリ単位で床レベル(傾き)を管理しながら、硬質発泡ウレタン樹脂を注入するため、精度が高い高品質な施工を提供します。
詳しい施工の特長や施工の流れ、よくある質問などについては「アップコン工法とは」をご覧ください。
“ウレタン” で課題を解決するアップコン株式会社

私たちアップコンは、ウレタン樹脂を使用して工場・倉庫・商業施設・店舗・一般住宅などの沈下修正をおこなうこと、道路・空港・港湾・学校・農業用水路などの公共インフラを長寿命化させることで暮らしやすい社会とストック型社会へ貢献します。
また、ウレタン樹脂の新規応用分野への研究開発に取り組むことで、自ら市場を創りながら事業を拡大していきます。
「アップコン工法に適合する内容かわからない」「具体的な費用や工期が知りたい」「ウレタンでこんな施工ができないか」など、ご質問がございましたらぜひお気軽にご相談ください。
日本で初めてウレタン樹脂を使用し、沈下修正を行った第一人者。
関わった沈下修正案件は10,000件を超える。

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