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2026/02/26 基礎知識

空隙・空洞充填工法とは|必要性と空隙・空洞を埋める仕組みについて解説

空隙・空洞充填工法とは|必要性と空隙・空洞を埋める仕組みについて解説

建物の安全性を守るためには、地盤や土間床下の状態が安定していなければなりません。しかし、軟弱地盤、圧密沈下、地震や豪雨などによる地盤沈下の影響で床下に空隙や空洞が発生すると、土間床の傾きや振動の増加、さらには機械の動作不良などを引き起こす可能性があります。

この空隙・空洞を放置すると、建物の安全性が損なわれるだけでなく、製品精度の低下、稼働効率の低下、維持費や修繕費が増加するリスクも高まります。

そこで重要な役割を果たすのが、空隙・空洞充填工法です。空隙・空洞充填は、土間床と地盤の間に生じた空隙や空洞に特殊なウレタン樹脂を注入し、空隙や空洞を埋めることで土間床を安定させる方法です。

この記事では、空隙・空洞充填の必要性、その仕組み、そしてどのような効果が得られるのかを解説します。

空隙・空洞充填工法の定義とは

空隙・空洞充填工法とは、土間床と地盤の間に生じた空隙や空洞を埋める工法のことを指します。

特に工場や倉庫などの土間床では、軟弱地盤、圧密沈下、地震や豪雨などによる地盤沈下や、工場や倉庫内で稼働する機械などから発生する振動によって、土間床と地盤の間に空隙や空洞が生じることがあります。

この空隙や空洞を放置すると、土間床の沈下や振動の増加といったトラブルを引き起こし、機械や設備の損傷や建物全体の安全性に影響を及ぼすおそれがあります。結果として、製品精度や稼働効率の低下、維持費・修繕費の増加といったリスクにつながる要因となります。

空隙・空洞充填は、こうした問題を未然に防ぐために行われる補修工法です。具体的には、特殊な充填材を用いて空隙や空洞部分を埋めることで、土間床の安定性を確保します。

特にウレタンを使用した工法では、軽量で充填効果が高く、必要な箇所だけを充填しやすい点が特徴です。この工法は、従来のモルタルやエアモルタルを用いた方法に比べ、迅速かつ効率的に施工できる点で優れています。

空隙・空洞充填工法は、土間床の振動や沈下のリスクを軽減するだけでなく、建物全体の安全性を向上させるために欠かせない重要な工法と言えるでしょう。

空隙・空洞充填が必要になる場面

空隙・空洞充填が必要になる場面

空隙・空洞充填が必要になるのは、土間床下に空隙や空洞が発生し、そのままでは安全性や機能性に問題が生じる場合です。具体的には以下のような場面があげられます。

土間床が振動する場合

土間床に不規則な振動や揺れが感じられる場合、土間床下に空隙や空洞がある可能性が高いです。この現象は、工場の重機や倉庫でのフォークリフトの走行により振動が土間床に伝わり、空隙・空洞が拡大することで悪化します。

そのまま放置すると、土間床や建物全体にダメージを与え、最終的には構造的な欠陥につながるリスクがあります。このような場合、振動の原因を特定し、迅速に空隙や空洞を埋めることが必要です。

土間床の沈下やクラック発生

土間床下の空隙や空洞が原因で床全体が沈下することがあります。この沈下により、機械や設備の水平を確保することが難しくなると、製品精度が低下してしまったり、生産性の低下に繋がる恐れがあります。

また、沈下が生じることで床面にはクラックが発生しやすくなり、これが広がることで内部への浸水やさらなる劣化を招く危険性もあります。

沈下やクラックを未然に防ぐためにも、空隙・空洞充填は必要な手段であると言えるでしょう。

外構に空洞が確認される場合

建物の外構部分で地盤が沈下し、空隙や空洞が露出する場合も、空隙・空洞充填が必要です。特に重機や車両が頻繁に走行する場所では、地盤の不安定さが事故を引き起こす可能性があります。

空隙・空洞充填法によって早急に空隙や空洞を埋めることで、建物や利用者の安全を守ることができます。

改修工事で土間床が沈下する場合

改修工事で床にカッターを入れる作業を行う際、土間床下の空隙や空洞が原因で沈下が発生し、段差が生じることがあります。

この現象は施工の遅延や追加コストを引き起こすため、事前に土間床下の空隙・空洞を確認し、必要に応じて補修を行うことが大切です。

食品工場や薬品工場での害虫発生

食品工場や薬品工場の土間床下に空隙や空洞があると、そこに害虫や害獣が侵入して繁殖する恐れがあります。これが原因で衛生環境が悪化し、異物混入事故のリスクが高まるなど、製品の安全性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

食品工場や薬品工場では、空隙や空洞を早期に埋めることで害虫や害獣の発生を抑え、衛生的な環境を維持することが不可欠です。

空隙・空洞充填の注意点とその対処方法

空隙・空洞充填は建物の安全性や機能性を回復するために非常に有効な工法ですが、施工には注意点が伴います。注意点を正確に把握し、適切に対処することが重要です。

以下では、空隙・空洞充填における主な注意点とその対処方法について解説します。

注意点:土間床下埋設物への影響

空隙・空洞の充填作業では、土間床にドリルで穴を開け、土間床下にウレタンを注入する工程が含まれます。この際、土間床下に埋設されている配管や電線などの設備に影響を及ぼすリスクがあるのです。

埋設物を誤って損傷した場合、復旧作業が必要になり、施工期間が延びる場合もあるので、慎重な作業が求められます。

対処方法:事前調査と現地での確認

空隙・空洞充填を安全かつ効果的に行うためには、事前調査と現地での確認が欠かせません。

まず、施工前に土間床下の図面を確認し、埋設物の位置や種類を特定。図面には配管やケーブルの経路、構造体の情報などが記載されているため、これをもとに施工計画を立てることができます。特に重要な設備がある場合は、その周辺での作業に細心の注意を払う必要があります。

図面確認に加えて、現地での直接確認も行います。図面だけでは把握できない埋設物の実際の位置や状態を確認し、施工に支障がないかを確認。このプロセスにより、予期せぬトラブルを未然に防ぐことができるのです。

さらに、事前調査では、土間床下の状況を詳細に把握します。空隙や空洞の位置や大きさ、地盤の状態などを確認し、最適なウレタン注入による補修計画を策定します。この調査を通じて、施工範囲を正確に特定し、ピンポイントで効率的な充填を行えるようになります。

このように、事前調査と現地での確認を徹底することで、空隙・空洞充填工事の安全性と精度を向上させることができます。

空隙・空洞充填工事の施工手順とアップコン工法の特長

では最後に、弊社のアップコン工法による空隙・空洞充填工事の手順や特長などを詳しくご紹介します。

①資機材準備と施工前測量

工事開始前に、資機材を搭載したトラックを所定の位置に駐車し、必要な機材を準備します。その後、オートレベルやレーザー墨出し器を使用して現況の土間床の高さを測量します。

さらに、注入ガンの準備を行い、施工箇所まで約80m延長可能な注入ホースを敷設します。

②ウレタン注入孔の削孔

次に、注入位置をマーキングした後、直径16㎜(1円玉より小さい穴)のドリルで1m間隔に削孔します。ウレタンの注入範囲は半径1〜1.5mであるため、注入間隔を原則1mおきにすることで土間床下の空隙・空洞を隙間なく充填する設計です。

削孔時には集塵機を使用し、粉塵の飛散を防止します。

③ウレタン注入

レーザー墨出し器で床の高さを常時確認しながらウレタンを注入します。注入後はCCDカメラで土間床下内部の充填状況を確認し、ウレタンが隙間なく充填されていることを確認します。

④穴埋・清掃・片付け

注入孔は無収縮モルタルで丁寧に穴埋めし、施工場所の清掃を行います。また、施工中に発生した廃材やホース類を車両に積み込み、作業の完了です。

アップコンの施工事例 >

空隙・空洞の充填は「アップコン工法」で

今回は、空隙・空洞充填の方法やその必要性、効果などについて解説しました。

弊社が独自に行うアップコン工法の特長は、沈下・段差・傾き、空隙・空洞が生じたコンクリート床を壊さずに短工期で修正できることです。また、荷物・機械等の撤去作業や大型プラントの設置などが不要なため、操業を止めずに施工が可能です。

また他の特長として、
・施工の体制がコンパクトなため速やかに原状回復が可能
・従来工法に比べ再沈下のリスクを低減(ウレタン樹脂は、コンクリートやモルタルと比較し軽量なため)
・既設コンクリート床を壊さずに施工可能なため、コンクリートを解体する際に発生する産業廃棄物のコストや、大きな騒音が発生しない
などがあります。

また、ウレタン樹脂の影響範囲は約1~1.5mのため、アップコン工法は1m間隔でウレタン樹脂を注入することで、
・空隙・空洞を100%充填
・ミリ単位でのレベル管理で沈下を修正
・床のひび割れの発生を極力抑え床に負担をかけずに沈下を修正
を可能にしています。

詳しい施工の特長や施工の流れ、よくある質問などについては「アップコン工法とは」をご覧ください。

“ウレタン” で課題を解決するアップコン株式会社

“ウレタン” で課題を解決するアップコン株式会社

私たちアップコンは、ウレタン樹脂を使用して工場・倉庫・商業施設・店舗・一般住宅などの沈下修正をおこなうこと、道路・空港・港湾・学校・農業用水路などの公共インフラを長寿命化させることで暮らしやすい社会とストック型社会へ貢献します。

また、ウレタン樹脂の新規応用分野への研究開発に取り組むことで、自ら市場を創りながら事業を拡大していきます。

「アップコン工法に適合する内容かわからない」「具体的な費用や工期が知りたい」「ウレタンでこんな施工ができないか」など、ご質問がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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