ホームニュース一覧第537号(2025/10/7発行)擁壁倒壊
2025.10.17ニッポン上げろ!

第537号(2025/10/7発行)擁壁倒壊

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
【メールマガジンの新規登録はこちら】


こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。

先月30日、
東京都杉並区で一戸建ての住宅が突然崩れました。
全壊でした。
倒壊の原因は、
宅地内の土圧により、擁壁に生じていた亀裂が進行し、
倒壊に至ったと発表されています。
テレビや新聞でも報道されていたので
記憶されている方も多いのではないでしょうか。

アップコンは住宅の沈下修正も行っています。
住宅の沈下の主な原因は
1.軟弱地盤による圧密沈下(主に粘性土壌)
2.大地震による液状化(主に砂質土壌)
がほとんどです。
その他の原因としてアップコンが施工した現場では、
土中に産業廃棄物が埋められていて沈下したというものがありました。
そして、もう一つは擁壁が動いたことによって
住宅が沈下したという例が数件ありました。

「擁壁(ようへき)」とは、
土地の土砂崩れを防ぐために設けられる壁状の構造物のことです。
特に、高低差のある土地や傾斜地において、
土壌の横からの圧力に耐え、
斜面の倒壊を防ぐ役割を担っています。
傾斜地や盛土された土地で、
地震や大雨、建物の重さなどによって地盤にかかる圧力を受け止め、
土が崩れないように支えます。
(参照:AI回答)


今回の杉並区の事故は
既に以前から擁壁に亀裂が入っていて、
行政指導も何年にもわたってされている状況の中で、
水や、水を含んだ土の圧力がかかり、
倒壊に至ったとされています。
ここに、擁壁倒壊を起こさせないための
ポイントが隠れていると思います。

1番は擁壁の状況を定期的に検査するということです。
と言っても、これは専門家でなければなかなかわかりません。
擁壁が本来造られた位置から動いていないか、
はらんだりしていないかどうかは
測量する必要があるからです。
当然費用も掛かります。
では私たちでできることは何なのか?
2番目にお勧めするのは外観の目視によるチェックです。
それも主に2項目です。
一つ目は擁壁がひび割れていないかどうかのチェック。
大変だけど細かくチェックしてみましょう。
二つ目は水抜き穴がきちんと機能しているかどうかのチェックです

水抜き穴とは、
水が溜まるのを防ぐために設けられた排水用の穴のことです。
宅地造成等規制法施行令第10条により、
壁面の面積3平方メートル以内ごとに少なくとも1個、
内径7.5センチメートル以上の水抜き穴の設置が義務付けられています。

水抜き穴から水が流れた後があるかどうか、
水抜き穴内が雑草等によって詰まっていないかどうかをチェックします。
擁壁の外観チェックは
擁壁自体の高さが高くて危険だったり、
擁壁を見ようと思ったら
擁壁下の隣人の敷地からでないと見ることが出来なかったりと
なかなか条件が悪いことが多いものです。
その時はスマホカメラをズームにして
写真を撮って後から確認するという方法もあります。
3番目は敷地内に過剰に雨水がたまるような状況になってないかというチェックです。
雨どいから集められた雨水が排水口・雨水管へ行かずに庭に直接注がれていないかどうか、チェックしてみてください。
私たちが施工した現場でも、竪樋が壊れて、
雨水が直接地面に浸透したことが地盤沈下の原因となった例がありました。
取り敢えず、1~3番を実施していれば基本大丈夫です。

しかし、最近の気象は私たちの想像以上の悪天候を引き起こします。
先日もアップコンのある川崎市は1時間で100ミリ以上の集中豪雨が起こり
浸水した地域がありました。
このような場合では想定以上の雨水が土中にたまり、
土圧が高くなり、擁壁を押し、倒壊に至るということが考えられます。
城の石垣などもこのようなことが原因で崩れてしまったということが多々起こっています。
それを防ぐ方法は、
直接土中に雨水が入らないようにコンクリート等で防水しながら
雨水を排水口・雨水管へ逃がすことが必要です。
緑で覆われた庭の方がきれいだなと思っても、
大雨が降れば土圧が高まり、擁壁が動くかもしれません。

最後にアップコンでは
庭の緑はそのままにして、土中に水分がたまりにくくなるように、
ウレタン樹脂を土中に注入することによって、
土圧が高くなりにくくする施工も行っています。
一般的に私たちが言う「土」とは、
土の粒子と、水と空気で構成されています。
この水と空気の部分を一部、
環境に安全なウレタンで置換することによって
雨水が土中にたまりにくくする工法です。

お城の石垣で囲まれた土地がコンクリートで覆われていたら
興覚めですよね。
でも土中にウレタン樹脂を入れることによって
見た目はそのままでも土圧を抑えながら石垣や擁壁の倒壊を防ぐ工法もあるのです。
ご興味がある方はアップコンまでご連絡ください。

カテゴリー