ホームニュース一覧第518号(2025/8/1発行)津波
2025.08.12ニッポン上げろ!

第518号(2025/8/1発行)津波

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
【メールマガジンの新規登録はこちら】


こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。

一昨日の7月30日(水)、
カムチャッカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の地震が起こりました。

地震によって発生する津波を「地震性津波」と呼びます。
これに対して、火山噴火など地震によらない津波を非地震性津波」と呼びます。  
さらに今回の地震性津波はさらに、震源地が遠く、地震を感じていないのに
津波だけが襲来するという「遠地津波」と呼ばれるものでした。

気象庁では、日本の沿岸から600㎞以上離れた海域で発生した地震による津波を
「遠地津波」と定義しています。
2004年12月のスマトラ島沖巨大地震(マグニチュード9.0)では、
大津波がインド洋沿岸諸国を襲い、
23万人以上の犠牲者が出ましたが、
スリランカやインドの沿岸では、地震を全く感じていないのに、
津波だけが襲来するという事態でした。
※出典:防災士教本(2025年度版)
編集発行:認定特定非営利活動法人 日本防災士機構

さて、遠隔地を震源とする地震による「遠地津波」は  
どれくらいの速さで私たちのところへ到達するのでしょうか。
これを知っておくと、避難の時にも必要以上に慌てて、
それによって怪我をしたり、事故を起こしてしまうことを
防ぐことができます。

津波の速さは水深で決まります。
深い方が早く、浅い方が遅くなります。
津波の速度=(水深×重力加速度)の平方根
という単純な式です。(微小振幅波理論による長波の式) 
例えば水深5,000メートルのところで地震が起こると
重力加速度は9.8m/s²なので 
5,000✕9.8=49,000
49,000の平方根(√)は221.36となります。
この単位は「m/s」なので時間とキロメートルに直すと
221.36x60x60÷1,000=796.89
となり時速約800キロメートルというスピードということが分かります。

今回の地震は震源の深さが19.3キロメートルでした。
上記の計算式で計算すると、時速1,565キロメートルです。
早いです。
新幹線が300キロ、リニアが500キロ、ジェット機が1.000キロの時速なのに
津波は1,500キロですよ!
仮に仙台までだと震源地のエリゾヴォから約2,136キロ離れているので
2,136÷1,500=1.4
で、約1時間半後くらいには第1波が到着するんだなと計算できます。
このようなことを知っているだけでも
必要以上に慌てることなく、
SNSからの偽情報に惑わされることなく、
冷静に行動することができます。
もちろんいろいろな条件がさらに付いて来るので
正確な情報を常にキャッチしておくことが重要です。

津波警報を軽視することは危険です。
今回のような「遠地津波」だと身近に起こった地震ではないため
津波自体を軽視しがちですが
小さな津波でも十分危険なので
冷静に判断して避難する習慣をつけておきましょう。

 

カテゴリー