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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
【アップコン起業秘話】第493号(2025/5/6発行)
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「何が起こったんですか?」
「人身事故が起こっちゃったんだよ。」
「ええっ!怪我ですか?」
「うん。フォークリフトに乗っている人がラックに接触して怪我したらしいんだ。」
「どういうことですか?」
「この図面を見て。」
OHさんはA1サイズの平面図を広げます。
「ここのエリアが高層ラックエリアと呼ばれていて
高さ10メートル超の高層ラックがびっしりと並んでいるんだ。」
図面には個々のラックの位置が整然と並んでいるのが記されています。
「この高層ラックに荷物を搬送するのは普通のフォークリフトではなくて、
ピッキングフォークリフトっていうのが使われるんだ。」
「なんですか?ピッキングフォークリフトっていうのは。」
「高層ラックでは普通のフォークリフトでは
ラックの背が高すぎて上段の方のものは取れないでしょう。
だから「ピッカー」って呼ばれる専用の「ピッキングフォークリフト」
を使うんだ。
これは普通のフォークリフトとは違って、
人が乗るところが上がって、そのまま荷物の出し入れをしたり、
ピッキングをしたりするためのものなんだ。」
「運転席ごと、人も荷物も上まで行くってことですね。」
「そう。そして、ピッキングフォークリフトを使って
荷物の出し入れを行う時は人の手を使うので、
荷物の手の届く距離までラックになるべく近く距離を近づけないといけないんだ。
そうすると、寄せすぎてラックにぶつけちゃう危険もあるから
ぶつけないように床にはガイドレールも設置されているんだ。」
「そんな高層ラックエリアでどうして人身事故が起こったんですか?」
「そこなんだよ。
安全に安全に設計されて作られた高層ラックが、
実はまっすぐに立っていなかったんだよ。」
「えっ?じゃあ設計ミスかラックの施工ミスってことですか?」
「そうじゃないんだ。
高層ラックは既成のものだし、
ラックが組み上がった後もちゃんと完成検査して合格しているんだ。」
「それでは何が原因だったんでしょうか。」
「この人身事故はね、
ピッキングフォークリフトが上昇中に、
運転手がラックに接触して腕を怪我したんだけど、
さっきも言ったように、安全設計だからありえない事故なんだ。」
「そうですよね。」
「でも、運転手は実際怪我をして労災も適用されているので、
単なる不注意とも考えられずに、
ラックの設備屋さんに来てもらって総点検してもらったんだ。」
「そりゃ、事故の原因ははっきりさせないと。
単純に不注意で片付けられちゃいけないですよね。」
「そう。それでね、結果はラック自体は正常だったんだけど、
ほとんどのラックが垂直に立っていなかったんだ。」
「どういうことですか?」