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見習い修行【後編】
こんにちは! コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
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引き続きシドニーの夏、1月も終わりの頃。 オーストラリア・デー(オーストラリア建国記念日)も終わり お祭り騒ぎの楽しい夏休みから、 ジョンとも一緒に現場へ行くこともありましたが、 なぜかピーターとは馬が合い、よくペアで行動していました。 ピーターは日本語が少しできるオージーです。
当時のオーストラリアは、 第2外国語としてフランス語を抜いて日本語が1番人気になってい ピーターのガールフレンドもワーキングホリデーで来豪している日 なので、
早朝、 「Nobu, 今日はブラックタウンへ行くよ。1,000㎡ 「え~っ? ブラックタウン?」 ギャング同士の発砲による殺人事件や麻薬の取引・売春など、 近寄らないには越したことがないといわれているところです。 「大丈夫。昼間だし、
こういう気持ちで仕事に向き合ってはダメなんだ、 というのは後からわかることになりました。 倉庫の中の荷物はすべて他の倉庫へ移されて、 (荷物を移動しなくても修正できる!
私の仕事は スタッフみんなから「上手いね~」と言われている注入作業です。 まず、デュポン製のタイベック防護服に着替え、 その間に他の3人は床レベル測定と削孔位置のマーキングとドリル 準備が整ったら4人力合わせてホースをトレーラーに載っているコ 倉庫室内へ引き込みます。 (あの重労働が朝と夕方に1回ずつあります。) ピーターが最初に注入する穴を指定します。 私は万が一に備えて、 ウレタン樹脂の飛散を防止するためのゴーグルを顔に装着します。 このころはトリガーの引きの時間と離しの時間のコンビネーション 自分で決めていました。 昼休み前に倉庫の責任者の人が一度現場を見に訪れてきましたが、 順調に進んでいるのを確認してお昼を食べに外出しました。 私たちは倉庫の床に座って話しながらサンドイッチを食べ、 後は午後の作業が始まる時間までダラダラと昼寝をしたりして休憩
外は残暑の強い太陽光線が降り注いでいますが、 倉庫内は窓を開けているため、風が通り抜けさわやかです。 出発前のブラックタウンと聞いた時のいやな気持は完全に忘れてい
ピーターが声をかけ、午後の作業がスタートします。 午後一は午前中の最後の注入孔の隣の隣、 つまり一穴とばしたところから注入することになりました。 私はノズルを注入孔にさし、ガンを固定し、ゴーグルを着け、
バ ン ッ ! ! !
・ 私は何が起こったのか全く分からず、というか全く何も見えず、 3人のオージーに担ぎ上げられ、 一人が私の目を指で開いた状態にして、 さらに水をかけ続けます。 ようやく3人から担ぎ下ろされトイレの床に座らされました。
「Nobu, Are you OK ?」 「ゴーグルしているけど、 ゴーグルと鼻の間の隙間から飛び散ったウレタンが入ったんだよ。 「 「この目薬を差して!」 「これから病院へ行くぞ!」 「奥さんに電話できるか?」 ピーターが私のパサートを運転し、 幸い、病院では診察後大丈夫と言われ、目薬を渡され、 そのままピーターが家まで送ってくれました。 早く帰宅した私を見て 「どうしたの?」 と心配してくれました。 「今日は安静にしているように」 と言って帰っていきました。 ドアを開けると”彼“は
と謝ります。
明日からもうお前は注入しなくていい。」
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